Webサイトの閲覧時、「読み込みに時間がかかる」「サイトが重い」と感じることはありませんか?
個人によって体感は偏りますが、サイトの読み込み速度が遅いとユーザーにストレスを与え、せっかくの訪問者を逃してしまう可能性が大いにあります。また、サイトの速度はGoogle検索結果での順位にも影響を与える重要な要素でもあります。
本記事は、Webサイトが重いことによるリスクとその原因、改善方法を紹介していきます。
目次
ここでは、Webサイトの読み込み速度が与える影響を知り、その重要性について解説します。
サイトの読み込み速度は、ユーザー体験と直帰率に大きな影響を与えます。
Googleの調査によると、ページ表示速度が1秒から3秒に遅くなると直帰率は32%増加し、5秒では90%、10秒では123%も増えていくそうです。特にスマホなどのモバイルデバイスでは、3秒以上かかるページから半数以上のユーザーが離脱してしまいます。これはスマホユーザーが快適なサイト回遊を求めており、表示の遅延をストレスに感じるためです。
速度改善は単なる技術的な問題ではなく、ビジネスチャンスにも直結します。ユーザーが目的の情報にスムーズにアクセスできれば、サイトへの信頼度が向上し、結果としてコンバージョン率の改善にもつながるでしょう。
Googleは、サイトの読み込み速度をSEOにおけるランキングの重要な要素として位置づけています。
特に2018年の「Speed Update」以降、モバイル検索においてページ表示速度の影響が顕著になりました。ただし、極端に遅いサイト以外では、その影響は限定的とされているものの、ページ速度改善はSEO以外にも多くのメリットをもたらします。
ページの表示速度改善には、UX向上やコンバージョン率の改善、さらにはサーバー負荷の軽減によるコスト削減にもつながります。実際、大手通販サイトでは読み込み時間が0.1秒速くなると売上が1%増加するというデータもあります。
サイトの読み込みが遅くなる原因を特定し、改善することは、SEO含めビジネス全体の成功に直結する重要な取り組みと言えるでしょう。
サイトの読み込み速度改善は、ビジネスにおいて目標達成に大きく貢献します。
具体的な事例として、バロックジャパンリミテッド様がYOTTAAを導入した結果、コンバージョン率が13%向上しました。これは、AIによるタグの読み込み順序の最適化が、ユーザーの体感速度を向上させたためです。ページ表示速度の改善は、このように機会損失を防ぐ重要な施策となります。
特に外部サービスを含めた最適化は、従来の手法では難しかった部分ですが、A/Bテストを行うことで、投資効果を事前に確認できるのも大きなメリットです。
画像は、サイトの読み込み速度に影響を与える要素のひとつです。
高解像度や大容量の画像ファイルは、ページの表示を遅らせる主な要因となります。そのため、画像の圧縮は非常に重要です。
圧縮方法に効果的な例として、まず画像のサイズを適切に調整し、大きな画像を使わないことが挙げられます。次に、JPEGやPNGなど用途に応じた適切なファイル形式を選択します。さらに、画像圧縮ツールを活用することで、画質を維持しながらファイルサイズを大幅に削減できます。
例えば、TinyPNGやImageOptimなどのツールを使用すると、簡単に画像を最適化できます。
外部ファイルの最適化は、サイトの読み込み速度向上に不可欠です。
JavaScriptやCSSファイルの最適化には、いくつかのテクニックがあります。まず、クリティカルCSSを活用しましょう。ページの初期表示に必要な最小限のスタイルをHTMLに直接記述し、残りは遅延読み込みさせます。これにより、レンダリングをブロックせず、表示速度が向上します。
次に、コード分割を行います。ページやコンポーネントごとにCSSを分割し、必要なものだけを読み込むことで、ファイルサイズを削減できます。また、ミニファイル化や圧縮を行い、不要な空白や改行を削除することで、ファイルサイズをさらに縮小できます。
クリティカルレンダリングパスの最適化は、ページ表示速度向上につながります。
まず、重要なCSSを特定し、インライン化することで初期表示を高速化します。JavaScriptは非同期読み込みを活用し、レンダリングをブロックしないよう設定します。また、画像やフォントなどの非クリティカルリソースは遅延読み込みを適用し、初期表示への影響を最小限に抑えます。さらに、プリロード機能を使用して重要なリソースを事前に読み込むことで、表示速度を向上させることができます。
これらの最適化により結果として、直帰率の低下やコンバージョン率の向上につながり、サイトのパフォーマンスが大幅に改善されるでしょう。
ここでは、適切なサーバーの設定とサイトパフォーマンスを最適化するポイントを見ていきましょう。
使用しているサーバーの性能の問題でサイトのスピードが落ちている可能性もあります。
レンタルサーバーは契約する企業や月額費用などによって性能が大きく変わってきます。サイトの規模感に合わせて高性能なサーバーを契約するだけで簡単に表示速度が速くなる場合があります。
使用しているレンタルサーバーの管理画面などからサーバーのスペックが確認できるので、サイトが遅いと感じた場合は表示速度や転送量といった項目を確認してみましょう。
キャッシュ設定の最適化は、サイト速度向上の鍵となります。
ブラウザキャッシュとサーバーサイドキャッシュを適切に設定することで、大幅な改善が期待できます。ブラウザキャッシュでは、静的ファイルを一定期間保存し、再読み込みを省略します。サーバーパネルで簡単に設定でき、CSS、JavaScript、画像ファイルなどが対象となります。
一方、サーバーサイドキャッシュは、サーバー上にファイルを一時保存し、表示速度と同時アクセス数を向上させます。ファイルの種類によってキャッシュ時間を調整できるのが特徴です。ただし、頻繁に更新されるコンテンツには注意が必要です。これらの設定を最適化することで、ユーザー体験が向上し、サーバーの負荷も軽減できるでしょう。
モバイルファーストインデックスへの対応は、現代のSEO戦略において不可欠です。
Googleがアルゴリズムで採用したモバイルファーストインデックスは、スマートフォンからの検索が主流となった現状を反映しています。対応するには、まずレスポンシブデザインを取り入れ、全ページをスマホ対応させることが重要です。
また、モバイル版とデスクトップ版のコンテンツを一致させ、スマホ向けに最適化することで、検索順位の低下を防ぎます。さらに、AMPの導入やPage Speed Insightsを活用した表示速度の改善も効果的です。
AMPの導入は、モバイルサイトの表示速度を大幅に向上させる効果的な方法です。
AMPは、Googleが推進する高速化技術で、HTMLの簡素化やJavaScriptの制限により、ページの読み込みを最大4倍速くします。これにより、ユーザーの離脱率低下や滞在時間増加が期待できます。
また、AMPページはGoogleの検索結果で優先表示されるため、クリック率向上にもつながります。ただし、デザインや機能に制限があるため、導入にはサイトの特性を考慮する必要があります。
WordPressサイトならプラグインで比較的簡単に導入できますが、独自CMSの場合は専門知識が必要です。AMPの導入は、ニュースサイトや情報サイトで特に効果を発揮しますが、動的コンテンツの多いサイトには不向きな場合もあります。
導入を検討する際は、メリットとデメリットを慎重に見極めることが重要です。
今回は、Webサイトの読み込みが遅い時に見直すべきポイントについて解説しました。SEOの観点からもサイトのスピードは非常に重要な項目です。どの程度の表示スピードにすれば良いかの目標設定をするために、まずは競合他社のサイトスピードを測定してみることをおすすめします。
Webサイトのスピードが遅いと感じたら、今回ご紹介した方法を確認し、実践してみてください。
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